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- 公開日:2024.7.13
更新日:2024.10.14
安心・安全な暮らしのために: 北部九州・山口エリアの地盤とハザードマップ徹底解説
目次
はじめに
日本は地震や台風、大雨などの自然災害が頻繁に発生します。特に北部九州・山口エリア地域でも、これらのリスクが高いです。このコラムでは、地震や風水害から家族やペットの身を守るために、特に、立地の観点から、安全な住まいを実現する方法を紹介します。
自然災害のリスク~地震リスク
南海トラフ巨大地震のリスク
南海トラフ地震は、日本の太平洋沿岸で発生が予想される巨大地震です。専門家によると、今後30年以内に70〜80%の確率で発生する可能性があるとされています。
南海トラフ巨大地震が発生した場合、震源域が広範囲にわたるため、日本全体に甚大な被害をもたらす恐れがあります。特に津波の発生が予想されており、沿岸部に住む住民は早急な避難が必要となる可能性があります。
北部九州・山口地域における地震リスク
北部九州・山口地域も地震のリスクから逃れられません。地震調査研究推進本部の資料によると、北部九州・山口エリアにはいくつかの活断層があり、これらが活動することで地震が発生する可能性があります。例えば、菊川断層帯、小倉東断層帯(最長山口県下関市武久町付近)、福知山断層帯、西山断層帯などが挙げられます。規模的には、福岡県西方沖地震(2005年)のような中規模から大規模な地震が再び発生するリスクが指摘されています。地震による建物の倒壊やライフラインの寸断は、日常生活に大きな影響を及ぼすため、備えが重要です。
地震に強い立地の選び方
活断層から離れた場所
地震に強い立地を選ぶためには、まず活断層から離れた場所を選ぶことが重要です。活断層は地震の震源となる場所であり、その周辺は地震の揺れが強くなる傾向があります。日本全国には多数の活断層が存在しており、北部九州地域や山口県エリアにもいくつかの活断層が確認されています。ハザードマップを確認し、活断層から距離を置いた地域を選ぶことで、地震リスクを大幅に低減できます。
津波リスクの低い地域
津波リスクも考慮する必要があります。沿岸部では津波のリスクが高いため、内陸部や標高の高い地域を選ぶことが推奨されます。ハザードマップには、津波浸水予測区域が示されており、これを確認することで安全な地域を選定することができます。特に、南海トラフ地震のような巨大地震が発生した場合、津波の被害は甚大となるため、リスクの低い地域を選ぶことが重要です。
地盤の強い地域の選び方
次に、地盤の強い地域を選ぶことも重要です。地盤が弱い地域では、地震の際に液状化現象が発生しやすく、建物の倒壊や沈下のリスクが高まります。地盤の強さは地質調査によって確認できますが、インターネットでも地盤の強度に関する情報を得ることができます。特に、砂地や埋立地よりも、岩盤や粘土層が広がる地域が安全とされています。
地盤が強固なエリアであっても
地盤が強固なエリアであっても実際に住宅を建てる場所(配置)のうち、一か所だけ地盤が弱い場合などがよく見受けられます。その場合、建物のバランスが悪くなるため、地盤改良が必要になります。
地盤改良とは
地盤改良とは、建物の基礎を支える地盤の強度や安定性を向上させるために行う工事のことです。地盤が弱いと建物が沈下したり、傾いたりするリスクが高まるため、安全で安心な住まいを建設するためには地盤改良が欠かせません。
地盤改良の重要性
地盤改良が必要な理由はいくつかあります。まず、建物の荷重を均等に支えるためには、地盤が十分に強固でなければなりません。地盤が弱いと建物が部分的に沈下する「不同沈下」が発生し、建物の構造に大きな影響を与える可能性があります。特に、日本のように地震が頻発する地域では、地震の揺れに対する耐久性を確保するために、地盤改良が非常に重要です。
また、地盤改良は建物の耐震性を向上させるだけでなく、生活環境の快適さを維持するためにも必要です。地盤が不安定なままでは、建物内の設備に悪影響を与えることがあります。そして、何より建物の耐震性を高めることで、万が一の時に備えることができます。
自然災害のリスク~風水害リスク
台風や豪雨による風水害のリスク
北部九州・山口エリアは台風の通り道となることが多く、毎年夏から秋にかけて台風が襲来します。台風に伴う強風や豪雨は、住宅の被害や浸水、河川の氾濫などを引き起こす可能性があります。特に近年の気候変動により、台風の強度が増しており、これまで以上の被害が予想されます。
洪水や土砂災害のリスク
豪雨による洪水や土砂災害も北部九州・山口エリアで頻発しています。2018年の西日本豪雨では、九州地方全体で大規模な浸水被害や土砂崩れが発生し、多くの住民が避難を余儀なくされました。洪水は低地や川沿いの地域に特にリスクが高く、土砂災害は山間部や傾斜地で発生しやすいです。
ハザードマップの活用
ハザードマップとは
ハザードマップを効果的に活用するためには、まずその見方を理解することが重要です。地図上で色分けされている各リスクエリアを確認し、居住予定地や現在の住居がどの程度のリスクにさらされているかを把握します。例えば、地震リスクでは震度の予想、洪水リスクでは浸水の深さや範囲、土砂災害リスクでは崩壊の可能性などが示されています。これらの情報を基に、安全な立地を選ぶことが可能です。また、避難経路や避難場所も確認し、緊急時に備えることができます。
ハザードマップの見方と活用法
ハザードマップを効果的に活用するためには、まずその見方を理解することが重要です。地図上で色分けされている各リスクエリアを確認し、居住予定地や現在の住居がどの程度のリスクにさらされているかを把握します。例えば、地震リスクでは震度の予想、洪水リスクでは浸水の深さや範囲、土砂災害リスクでは崩壊の可能性などが示されています。これらの情報を基に、安全な立地を選ぶことが可能です。また、避難経路や避難場所も確認し、緊急時に備えることができます。
風水害に強い立地の選び方
洪水リスクの低い地域
洪水リスクの低い地域を選ぶことは、住まいの安全性を高めるためには重要です。洪水は、主に低地や河川の近くで発生しやすいため、これらの地域を避けることが推奨されます。ハザードマップには、過去の洪水履歴や浸水予想区域が示されており、これを基に安全な地域を選ぶことが可能です。また、周辺の排水設備や堤防の状況も確認し、洪水リスクを低減することが大切です。
土砂災害リスクの低い地域
土砂災害は、山間部や傾斜地で発生しやすく、大雨や地震によって引き起こされます。土砂崩れやがけ崩れのリスクが高い地域は避けるべきです。ハザードマップでは、土砂災害特別警戒区域や土砂災害警戒区域が示されており、これを参考にしてリスクの低い立地を選びましょう。特に、新しく住宅を建てる場合は、地形や土地の特徴を十分に考慮することが重要です。
北九州・下関市周辺の近年の洪水
北九州・下関市周辺では、洪水リスクの低いエリアを選ぶことも重要です。例えば、平成25年7月の豪雨では神嶽川流域を中心とする小倉都心部で、床上1戸、床下54戸の浸水被害が発生しました。下関市でも2010年7月には山口県下関市豪雨災害がありました。
北九州市小倉都心部・下関市の浸水対策
代表的な対策として、紫川・神嶽川の川底の掘削、護岸の整備等、雨水管や雨水貯留管等の整備により、速やかに地表の雨水を排水する工事が平成27年より行われています。他の地域でも川底の掘削、護岸の整備等が行われています。下関市でも山口県と一体となって河川改修や河川浚渫などをおこなっています。国の治水対策は周辺環境に影響を与えるため、確認することも必要です。
北部九州山口エリアのおすすめ立地エリアの紹介
北九州市内のおすすめエリア
門司区
門司区は、地形的に起伏が多く、一部地域では地滑りや斜面崩壊のリスクが存在します。沿岸部は津波の影響を受けやすいため、ハザードマップを活用し、避難経路の確認が重要です。また、豪雨時には河川の増水による洪水の危険性もあるため、住民は最新の気象情報に注意する必要があります。おすすめの具体的なエリアは、柳町、下馬寄、大里原町、吉志新町などの一部地域です。
小倉北区
小倉北区は、都市化が進んでおり、地盤は比較的安定していますが、小倉東断層帯が南北に沿って確認されています。また、沿岸部や低地では洪水や津波のリスクがあります。ハザードマップによると、豪雨時の排水能力が限界に達する可能性があり、浸水被害が懸念されています。一方で、前述のように、紫川・神嶽川の整備により、速やかに地表の雨水を排水する工事が行われています。国による適切な防災対策により、工事以前よりも排水能力は上昇していると考えられます。おすすめの具体的なエリアは、井堀、城野などの一部地域です。
小倉南区
小倉南区は、広範囲にわたる住宅地と農地が混在しており、地域ごとに地盤の特性が異なります。低地や川沿いでは洪水のリスクが高いため、ハザードマップの確認が重要です。また、南北に小倉東断層帯が縦断するエリアですが、防災科学技術研究所の2015年地震活動モデルの資料によると、平均発生間隔は6,700年で最新活動時期は3,500年前となり、30年間の発生確率は0.05%となっています。一方で、小倉東断層は平均活動間隔が不明であるとの資料もありますが、日頃から防災意識を高めることに変わりはありません。具体的なおすすめの町名については、舞ケ丘、星和台、山手、企救丘などの一部地域です。
八幡東区
八幡東区は、工業地帯と住宅地が混在する地域で、地盤の安定性にはばらつきがあります。沿岸部では津波のリスクが存在し、河川沿いでは洪水の危険性が高いとされています。ハザードマップを参考にし、避難経路や緊急避難場所を事前に確認しておくことが推奨されます。おすすめの具体的な町名は、竹下町、尾倉などの一部地域です。
八幡西区
八幡西区は、南北に福知山断層帯が縦断するエリアです。防災科学技術研究所の2015年地震活動モデルの資料によると、平均発生間隔は20,700年で最新活動時期は20,500年前となり、30年間の発生確率は0.52%となっています。将来の活動性について注意すべき活断層であると記載されていますが、最新活動時期と平均活動間隔が絞り込めていないため、地震後経過率や地震発生確率の信頼性が低いとの記述もあります。尚、おすすめの具体的な町名は浅川学園台、大浦、松寿山、永犬丸西などの一部地域です。
戸畑区
鹿児島本線が東西を走る戸畑区は、交通の便がよく、住みやすい地域として人気が高いです。地盤が比較的安定しているものの、沿岸部では津波のリスクがあります。河川沿いの地域は洪水の危険性が高いため、ハザードマップを活用して避難経路を確認することが重要です。住民は日常的に防災意識を持ち、準備を怠らないようにしましょう。おすすめの具体的エリアは、天籟寺、小芝などの一部地域です。
若松区
若松区は、南北に福知山断層帯が分布しています。市のハザードマップによれば、特に若松区の一部低地帯は洪水のリスクが高く、適切な対策が求められます。おすすめの具体的な町名は、青葉台西、ひびきの、塩屋などの一部地域です。
北九州市周辺のおすすめエリア
遠賀町
遠賀町は、北九州市の西隣に位置し、自然環境に恵まれた地域です。落ち着いた住宅地が広がり、子育て世帯にも人気のエリアです。遠賀郡遠賀町は、地震や洪水、土砂災害などのリスクが存在します。特に、遠賀川等が氾濫した場合の浸水想定区域を示すとともに住民の皆さんへ災害情報や役立つ情報を提供し、防災意識の向上を図ることを目的としています。具体的なリスクや避難所の情報は、遠賀町防災ハザードマップで確認できます。おすすめの地域は若葉台などの一部地域です。
水巻町
水巻町は教育施設や医療施設も充実しており、住みやすい地域ですが、比較的平坦な地形が広がる地域であり、特に低地や川沿いでは洪水や浸水のリスクが高いとされています。ハザードマップによると、豪雨時には河川の増水や内水氾濫による浸水被害が懸念されます。また、沿岸部に近い地域では津波のリスクも存在します。地震時の液状化の可能性も一部地域で指摘されています。住民はハザードマップを参考にして、避難経路や緊急避難場所を確認し、日頃から防災意識を高めることが重要です。おすすめの地域は吉田東などの一部地域です。
中間市
中間市は、北九州市と直方市の間に位置し、交通アクセスが良い地域です。中間市は、低地が多く、特に河川沿いでは洪水や浸水のリスクが高い地域です。ハザードマップによれば、豪雨時には河川の増水や内水氾濫による浸水被害が懸念されます。地震時には一部地域で液状化の可能性も指摘されています。住民はハザードマップを活用し、避難経路や緊急避難場所を事前に確認し、日常から防災意識を持つことが重要です。おすすめの地域は扇ヶ浦や中尾などの一部地域です。
苅田町
苅田町は、工業地帯が多く、地盤は比較的安定していますが、沿岸部では津波のリスクが存在します。また、河川沿いの地域では洪水の危険性が高いとされています。ハザードマップを活用し、避難経路や緊急避難場所を確認することが重要です。さらに、地震時の液状化の可能性がある地域もあるため、建物の耐震対策を行い、日頃から防災意識を持つことが求められます。おすすめの地域には小波瀬や与原などの一部地域があります。
行橋市
行橋市は、比較的平坦な地形が広がる地域で、低地や川沿いでは洪水や浸水のリスクが高いとされています。ハザードマップによると、特に豪雨時には河川の増水による浸水被害が懸念されます。また、沿岸部では津波のリスクも存在します。住民はハザードマップを参考にし、避難経路や避難場所を事前に確認し、防災意識を高めることが重要です。おすすめの地域は前田ヶ丘や南泉などの一部地域です。
下関市
下関市は、2010年7月には山口県下関市豪雨災害があり、市内の沿岸部や河川沿いでは、洪水のリスクが高いとされています。さらに、南海トラフ地震の影響を受ける可能性があり、地震発生時には建物の倒壊や津波のリスクがあります。住民はハザードマップを確認し、地盤の強さや災害リスクを理解し、避難経路や緊急避難場所を把握することが重要です。おすすめの地域には伊倉、有富、一の宮、秋根、川中などの一部地域があります。
菊川断層帯
下関市の活断層については、下関市を縦断する菊川断層帯などがあります。国立研究開発法人 防災科学技術研究所の資料によると、平均発生間隔は約14,000年で、最新活動時期は不明となります。尚、調査後30年間の発生確率は0.21%です。また、地震調査研究推進本部の資料では、中部区間(陸域)の活断層について我が国の主な活断層の中で、今後30年の間に地震が発生する可能性が、高いグループに属することになるとなっているので、注意が必要です。しかし、同じ資料内で、最新活動時期や平均活動間隔が十分には絞り込まれておらず、確率の幅が広い結果となっていることが合わせて指摘されています。いずれにしても日頃から防災意識を高めることは重要です。
まとめ
近年の異常気象による集中豪雨や台風被害に対応するため、自治体は河川工事などの対策を行っています。しかし、今後の気象状況次第では新たな対策が必要になるかもしれません。
また、地震に関しては発生場所や規模が予測困難であり、将来の予測も難しいです。特に、南海トラフ地震のような大規模地震が発生した場合、津波の規模も予測が難しく、私たちの状況を予測するのは極めて困難です。
災害に遭わないことが最善ですが、万が一に備えて、最新のハザードマップを確認し、避難経路や緊急避難場所を把握しておくことが重要です。
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