C値
  • 耐震性能
  • 公開日:2021.10.26
    更新日:2021.10.26

「C値とは?」高気密住宅に必須の気密性能C値を解説

C値とは、住宅における相当隙間面積のことです。建物全体にある隙間面積(㎠)を延床面積(㎡)で割った数値で、建築した建物の気密性能を指標として用いられています。

C値の測定は実際に完成した新築住宅や既にある中古住宅などの建物室内で、専門の気密測定試験機を使って行う為、完成後又は施行中の現場で測定する必要がある為、事前に計算によって性能を提示することが難しいです。

数値の内容ですが、例えば、延床面積40坪(約132㎡)の場合、C値が2.0なら隙間面積は264㎠(はがき約1.8枚相当)、C値が0.5なら隙間面積は66㎠(はがき約0.5枚相当)です。

住宅の気密性能を表す指標として「住宅に係るエネルギーの合理化に関する建築主の判断の基準」(省エネ法)で用いられていますが、2009年(平成21年)に改訂された際に、気密住宅の規定および数値基準は削除されました。
その為地域の工務店やハウスメーカーでもこの「C値に対する考え方や取組」は様々です。
また、2013年に省エネルギー基準が改訂されて以降は、建物と設備機能を一体化して建物の「一次エネルギー消費量」を評価する指標が使われるようになり、気密性のC値よりも断熱性のUA値が重要視されるようになりました。

これから、注文住宅を計画される上で、この「C値」はとても重要な性能数値です。ここではこの「C値」の必要性などについて説明していきます。

「Ua値は重要!」でも国の基準やZEH基準にない「C値」って意味ある?意味ない?

「Ua値は重要!」でも国の基準やZEH基準にない「C値」って意味ある?意味ない?

家づくりを考えたときに、安心安全で快適な住環境を手に入れたいと皆さんが考え、工法(木造軸組み・枠組)をどれにするか?快適な省エネ住宅を考えたときにたくさんある断熱材を比較したりすると思います。

その中で「UA値」や「ZEH」などの数値基準の言葉が出てきます。
ハウスメーカーや工務店などで説明を受けるときにもこの言葉が良く出てくるのですが、「C値」については、各建築会社によって、「意味がある・意味がない」など建築会社によって見解に違いがあります。
その一番の理由として国の基準にないことが理由にあげられます。

平成14年までは寒冷地でC値2.0㎠/㎡、その他の地域でC値5㎠/㎡という基準が存在しました。ところが、「施工前に数値が確認できない」や「施工後の検査にコストがかかる」などの理由から途中で削除されてしまいました。国が基準を設けていない為に、このように「C値は意味がないや必要ない」といった声が上がりますが、以下にC値が必要な理由を記載いたします。

C値が必要な理由その1「省エネルギーで部屋の温度を快適にする」

C値が必要な理由その1「省エネルギーで部屋の温度を快適にする」

気密性が低いと冬は暖房をつけとても、温かい空気が屋根から外に漏れ、漏れた分冷たい空気が家に流れ込み、足元が冷え不快感はさらに増していきます。夏は蒸し暑い外気が入り、エアコンをフルパワーで使用することになり、電気代に影響します。

お家の床の温度が低い理由の一つが「家の隙間」です。
温かい空気は上昇する性質があり、隙間の多い家で暖房すると、温かい空気は天井に昇り、屋根に隙間があると外へ漏れ出ていきます。漏れた分だけ冷たい空気は床下から侵入します。
隙間の少ない家は、温めた空気が抜けにくく、床に冷たい冷気が侵入しないので、気密性の向上は床の断熱対策にも効果があります。

その為マイホームの快適性を考え、家の隙間は可能な限り少なくすることが必要です。

C値が必要な理由その2「結露による壁内の腐敗や腐朽菌を防ぐ」

冬の乾燥した外気と比べ、家の中は湿気が大量に発生しています。
その為、外壁や床などの隙間があると、隙間から湿気が壁内に流れ込んでしまい、壁の中で結露して柱を腐らせ、壁の中の腐朽菌を増やしてしまいます。

隙間の多い家では、湿度のコントロールが十分にできません。
夏場は外の多湿な空気が侵入し家の中でも蒸し暑く、冬場は室内の最適な湿度が外に逃げていきます。

夏場、冬場に室内と室外を行ったり来たりする湿気は壁内で結露をおこし構造材にダメージを与えてしまうので、家の腐敗を防ぐためには、家の隙間を可能な限り少なくすることが必要です。

C値が必要な理由その3「換気の効率化で、嫌な臭いを防ぐ」

人が生活していると、水蒸気や二酸化炭素、匂い成分など様々な汚染物質が室内で発生します。
この汚染物質を屋外に排出するには定期的な換気が必要です。

昔の住宅は常に窓を開けている状態だったため、換気の大切さはあまり重視されていませんでした。

最近の住宅では、部分的に隙間の多い部屋と、隙間の少ない部屋が混在しているために、気密性の低い場所があると、換気扇でうまく換気することができません。
汚染物質が溜まってよどんだ部屋を造らないためには、家中すべてで可能な限り隙間を少なくし、24時間換気扇を回すことが必要です。

C値が必要な理由その4「大気汚染物質の侵入を防ぐ」

昔と比べ今は、大陸から流れてくる黄砂やPM2.5、一年を通して飛散する花粉など、健康被害の原因になる有害物質が年々増しています。

隙間の多い家では換気口にフィルターを付けても、隙間から汚染物質が室内に侵入してしまいます。隙間の少ない家は、適切なフィルターを設置することで、いつでも綺麗な空気を家に入れることが可能になります。

C値が必要な理由その5「依頼する建築会社の施工品質を確認できる」

C値が必要な理由その5「依頼する建築会社の施工品質を確認できる」

隙間のない家を実現するには、高い技術力と広い知識が必要になります。
技術力が低いとどんなに高性能の材料を使っても施工精度が低くなり、隙間の大きなお家になってしまいます。
そして、技術力があっても、隙間の無い家づくりに必要な知識がない状態だと気密性の高い家づくりが実現できません。

隙間の無い家づくりは会社選びにも大きな役割になります。

まとめ ー ハウスメーカーや工務店でもC値の必要性は賛否両論

ハウスメーカーや工務店でもC値の必要性は賛否両論です。

ただ、国の基準にないから必要ないのではなく、お家の造りや仕組みによってはC値を考えたうえでの建築計画が必要であったり、建築会社の技術力を確認するためには、C値は非常に大事な数値基準だと考えています。

建築会社を選ぶ際、見た目や設備だけで選ぶのではなく、このC値を選定基準に考えることをおすすめいたします。

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