- 断熱性能
- 公開日:2021.5.1
更新日:2024.8.20
省エネ住宅ってどんな住宅?どんな基準や特徴があるの?
目次
近年よく聞かれるようになった「省エネ」という言葉。これは「省エネルギー」を略した言葉で、住宅業界だけでなく様々な業界でよく使われる言葉です。
「省エネルギー」とは言葉の通りエネルギーを省くことです。住宅においては、生活の中で使うエネルギーを減らすことです。具体的には家庭のエネルギーコストにおいて、約30%を占めるのが冷暖房器によるエネルギー消費です。省エネ性能の高い住まいにするには、主にこの冷暖房のエネルギーコストを抑えることが必要です。
省エネルギー住宅は、エネルギーコストを抑えるだけでなく、断熱と気密により冬は「部屋の中の暖かい空気が逃げず、部屋中の温度がほぼ均一の家」、夏は「室外の熱気が入りずらい涼しい家」「小型のエアコンでも良く効く電気代が節約できる家」が実現します。
「省エネ住宅」=「節約効果の高く快適な住宅」と言えます。
省エネ住宅の基本は国土交通省が法令で定める「省エネルギー基準」
省エネ住宅を考えるうえで基本になるのが、国が定める「省エネ基準」です。省エネ基準は、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」の制定に対応して、1980年(昭和55年)に制定されました。以降1992年、1999年と制度が改正されながら内容が強化されてきました。このため性能別に一覧で評価する際に1980年度基準を「旧省エネ基準」、1992年度を「新省エネ基準」、1992年度を「次世代省エネ基準」と呼んでいます。
具体的にどのように強化されてきたかというと、「外皮」と言われる、外壁や屋根、天井、床、窓などの住宅を包む部分について、断熱性能を高めるようにレベルが上がってきました。具体的な違いは国土交通省がそれぞれの省エネ基準での年間冷暖房利用時の消費量を試算した情報を出しています。省エネ基準は2013年にさらに改正され、外皮の断熱性能の水準は1999年と同様ですが、評価方法が変わりました。外皮だけでなく、冷暖房設備や給湯器、照明など住宅全体で消費するエネルギー量を総合的に評価できるように「一次エネルギー消費量」の基準が追加されました。
冷暖房コストの節約になる、省エネコストの高い「省エネ住宅」にはどんな優遇が受けられる?
省エネ住宅は冷暖房コストの節約だけでなく、新築、リフォーム(改修)、中古不動産を含め減税や補助金などの、優遇があります。この優遇を受けるためには様々な事業の認定取得を行うことで利用することができます。こちらでは、簡単に認定制度や補助金をご紹介いたします。
事例1:長期優良住宅
長期優良住宅は建物の基本構造部や更新性、一定の面積、定期的な補修やメンテナンスの計画策定に加え、「断熱性能等級4の省エネ性能」が必要な認定住宅制度です。
優遇内容は以下のものがあります。
・「住宅金融支援機構」のフラット35SのAプラン利用可能
・「住宅ローン減税」の対象住宅ローン限度額の引き上げ
・所得税の特別控除(長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除)
・登録免許税の税率引き下げ
・不動産取得税の課税標準特例
・固定資産税の新築家屋の税額軽減期間延長
事例2:低炭素住宅
低炭素住宅は断熱性能等級4+一次エネルギー消費量等級5に加え、HEMSの導入や節電だけでなく節水対策などの一定の処置が必要です。
優遇内容には以下のものがあります。
・「住宅ローン減税」の対象住宅ローン限度額の引き上げ
・所得税の特別控除(低炭素住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除)
・登録免許税の税率引き下げ
事例3:補助金制度
省エネ住宅に関係した補助金(助成金)制度は新築住宅やリフォーム、リノベーションを含めたくさんの制度があります。住宅を検討するうえで補助金(助成金)は大きな助けになる為、事前に確認することが重要です。
補助金(助成金)には以下のものがあります。(2021年現在)
・ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)支援事業
・すまい給付金
・地域型住宅グリーン化制度
・グリーン住宅ポイント制度(住宅取得)
・グリーン住宅ポイント制度(リフォーム)
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
その他市町村別にも補助金制度があります。事前に建築(リフォーム)を行う地域の行政へ確認することが重要です。
省エネ住宅でよく聞く「ZEH」、「スマートハウス」って何?
一戸建ての新築住宅を検討するときに最近よく耳にする、「ZEH」や「スマートハウス」。
簡単に言うと「ZEH」とは太陽光発電などで創出したエネルギー量と住宅内で消費するエネルギー量が年間でおおむねゼロまたはプラスになる住宅です。
「スマートハウス」とはエネルギーをコントロールするシステムを活用してエネルギーの見える化や自動制御をする住宅です。
いずれも、住宅に高い「省エネ性能」が必要で、それに加えてエネルギーを生み出したり、コントロールしたりする設備が求められるが、今のところ明確な基準はありません。
ただし、年度ごとに国土交通省や経済産業省がZEHを支援する事業に認められれば一定の補助金を受けられたり、今後普及が進むであろう、蓄電池等の設備に対する補助金を受けられる場合もあり、これから住宅を検討する上で、省エネ住宅だけでなく、「ZEH」や「スマートハウス」を考え調べることは重要です。
まとめ
省エネ住宅は年々国が力を入れている、住宅において重要なキーワードです。また、ハウスメーカーや工務店などの建築会社を決める中でこの「省エネ住宅」にどのくらいしっかり取り組み、計画しているかは安心できる建築会社選びにも必ず役立つはずです。まずは建築会社を検討する前に、事前に「省エネ住宅」についてしっかり調べることおすすめいたします。
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