ua値とは
  • 断熱性能
  • 公開日:2021.9.8
    更新日:2021.9.8

住宅の断熱性能で出てくる「Ua値とは?」性能住宅に必須のキーワードを解説

新築住宅を計画するとき、まず初めに「快適さ」を考える方はとても多いと思います。冬は温かく、夏は涼しいお家は理想的な住まいですよね。そんな快適な住まいを造るためには、高い断熱性能を持つことが必要です。「断熱」とは、室内の温度を外に伝わりにくくすることです。住まいの室内からせっかく作った熱(温かい暖気や冷たい冷気)が逃げてしまう家を建ててしまってはどうしようもないです。せっかく作った室内の快適な温度ををできるだけ逃がさないための工夫が「断熱」です。

では、建築した住宅が実際にどのくらいの断熱性能があるお家になるのかを建築する前にしっかり把握するにはどうすればいいでしょうか。この「断熱性能」を把握するために重要になる指標が「UA値(ゆーえー値)」です。住宅計画を進める時に、「ハウスメーカー・工務店・設計事務所のどこに依頼するか?」や「工法は木造軸組・枠組壁工法(2×4)・軽量鉄骨?」など比較検討をする際にも「UA値」は重要なキーワードになります。

外皮平均熱貫流率(UA値)数値の計算方法・地域区分・国土交通省との関係性について

外皮平均熱貫流率(UA値)数値の計算方法・地域区分・国土交通省との関係性について

外皮平均熱貫流率(UA値)は、住宅の室内から、「床(基礎)・壁(外壁)・天井(屋根)・開口部(窓)」などを通して、外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した数値です。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことになります。計算式は以下の式で、1㎡あたり何wの熱が逃げるかを表しています。

外皮平均熱貫流率(UA値)=熱損失量(w/k)÷外皮面積(㎡)

実際にどのくらいの数値が基準になるのかは、国土交通省(国)で省エネ基準の指標を示しています。この指標は住んでいる地域によって区分され、大きく8つの地域に分かれており、お住いの地域区分によって数値が分かれています。この数値が省エネルギーの一つの目安になり、例えば、福岡県では6地域のレベルに分類されており、外皮熱貫流率は0.87以下にすると一定の省エネルギー基準に該当することになります。

UA値は、気密測定のように完成した現場で測定するものではありません。建築する住宅の間取りや仕様が決まると建築が始まる前に計算によって求めることが可能です。主に計算に関わる項目としては、以下の項目があります。

  • サッシの種類(アルミ・アルミ樹脂・樹脂・木製)と大きさ(開口の面積)
  • ガラスの種類(単板・ペアガラス・トリプルガラス)
  • 断熱材の種類や厚み
  • 断熱材の施工方法

主に上記の項目(換気はUA値計算には除外)と間取りによって計算して求めることができます。

使用する断熱材の種類や厚みを計算してまずは、U値を出していきます。壁(外壁)の断熱、天井(屋根)の断熱、床(基礎)の断熱、開口部(窓)それぞれを、計算して外皮面積で割るとUA値を求めることができます「性能の良い断熱材を厚く使用し、より高性能なサッシに何層にもなるガラスを使用」することで、UA値は低くなり、断熱性能の高い住宅になります。

省エネ住宅でUA値以外に良く聞くC値との違い、測定方法や内容について

新築住宅を検討する中で特に断熱性能や省エネ性能を気にしたお家づくりを計画すると必ず聞く「UA値とC値」ですが、この二つの数値が表す性能は全く違うものです。まず、「UA値」は上記にご説明したように、外皮平均熱貫流率のことで主に断熱性能を表す値です。値が小さくなればなるほど熱が逃げにくく、省エネルギー性が高くなり主にサッシや断熱材の定められた数値によって建築前に計算によって表すことができます。そして、「C値」とは、住宅における相当隙間面積のことで主に気密性能を表す値です。値が小さいほどお家全体の隙間が少なく、気密性能が高くなります。そして「気密性能が高い=施工品質が高い」ことを意味するため、建築会社選びをする際には、UA値と一緒にC値も気にした会社選びをすることで、施工品質の高い建築会社を選びやすくなります。また気密性能はUA値と違い基準がないため、あまり気にしない建築会社もありますが、快適な住宅環境を考える際には「UA値とC値はお互いに比例」した性能を選ぶことも大切です。

UA値に関連するZEH基準やHEAT20(G1・G2グレード)とは?

UA値に関連するZEH基準やHEAT20(G1・G2グレード)とは?

断熱性能や省エネ性能を考えていると出てくる「ZEHやZEH基準」という言葉ですが、このZEH基準を考えるときに重要になるのがUA値の数値です。まずZEHとは、省エネと創エネを組み合わせてエネルギー消費量をゼロにする家のことを言います。そしてZEHの要件として以下の4つの項目があります。

  1. 強化外皮基準
  2. 基準一次エネルギー消費量を20%以上削減
  3. 再生可能エネルギーの導入
  4. 1~3により基準一次エネルギー消費量から100%削減

などです。上記4点の中で①の強化外皮基準がUA値と大きな関係があります。ZEH要件の中でも特に注目される項目でこの「強化外皮基準」はそれぞれの地域ごとに外皮性能(断熱性能)基準を設定しているが、全ての地域において省エネ基準より高い水準の性能を要求しています。その為、省エネ基準よりワンランク上の外皮性能を達成しなければZEHとは言えないのです。

このZEH基準よりも更に高い断熱性能を表す言葉に「HEAT20」というものがあります。このHEAT20とは、団体名で正式名称は「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」で、英語名の頭文字をとりHEAT20と呼ばれています。この団体は、建築関係の組織や企業、エコや断熱に詳しい、大学の教授や専門家で構成されており、「どうしたら、CO2排出が減らせるか?」・「どんな家なら、エコで省エネで、住んでいる人が健康ですごせるか?」などの研究や技術開発をしている団体です。HEAT20が提言する基準で家を建てると夏も冬も、エアコン1台で快適に過ごせる、家族の体にも、お財布にも優しい家になるのです。HEAT20では国の基準に新しく「G1・G2・G3」という3つのグレードを基準に提唱し、主に室内の体感温度に重きを置いており、冬期間、部屋の体感温度を10度~15度以上に保つために必要な断熱性能を基準にしており、G1からG3へと進むほど高い性能値になります。断熱性能や省エネ性能を考える際には国の基準以外にもこのHEAT20の基準を検討することをおすすめ致します。

まとめ

断熱性能を考えるときに出てくるUA値はこれからの家づくりに大切な言葉です。考える際には一緒に「C値」や「HEAT20」など国の基準だけでない、高性能の家づくりを考えることで、永く快適で安心な生活ができます。これからの住まいづくりの中で是非この「UA値」を意識した計画をおすすめいたします。

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