樹脂サッシ?トリプルガラス?住宅の窓サッシの種類や性能比較
  • 断熱性能
  • 2022.3.31

樹脂サッシ?トリプルガラス?住宅の窓サッシの種類や性能比較

住宅に使用する窓やサッシは、ガラス・フレームの素材や構造でいろいろな種類に分かれます。

皆さんは窓の役割をイメージした時に、どういったものを思い浮かべますか?
「自然な明かりや、風を取り入れる為」・「大きな窓で開放感のある空間に」等を考える方が多いはずです。

しかし、窓には主に採光(自然光を取り入れるための)・通風(風を取り入れる)・空間作りといった役割の他に、見落としがちな断熱(熱流入を防ぐ)といった役割があります。

窓を選ぶときに一番に考えるべきは、断熱や結露といった性能面を重視することが大切です。

住まいの中で、一番熱が逃げるのは窓開口と言われています。
その為、窓の性能を考えることで、より快適な住まいを手に入れる事が可能になります。

そんなサッシですが、先に述べたように素材や種類もたくさんあるため、ここでは、サッシについて素材や種類ごとのメリット・デメリットやいろいろな疑問についてご説明いたします。

後悔する前に知っておくべき、窓の種類や構造ってどんなのがあるの。

現在、窓には、一枚板のガラスで構成される単板ガラスや複数枚のガラスで構成される複層ガラス、トリプルガラスなどの種類があり、主に使われているサッシ枠の種類は、アルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシ、木製サッシの4種類があります。

構造的に、窓は「枠」と「障子(しょうじ)」で出来ています。
障子とはガラスが入っている部分で、現在では「複層ガラス」と呼ばれる、厚さ数㎜の複数のガラスから構成されるものが主流です。そのうち、2枚のガラスで構成されるガラスは一般的には「ペアガラス」、3枚のガラスで構成されるガラスは「トリプルガラス」と呼ばれます。
また、複層ガラスには、ガラスとガラスの数ミリの空間(中空層)に特徴をもたせたものが多く、中空層の中には「アルゴンガス」とよばれる空気より熱伝導率の低いガスを封入したものや、より熱の移動を防ぐため、二枚のガラスの間を真空にした「真空ガラス」、さらには透明なガラスの表面にLow-E膜といわれる特殊な金属膜(酸化錫や銀)をコーティングした「Low-Eガラス」などの商品もあります。

これら様々なタイプのガラスを取り囲む形で枠が取り付けられています。

日本の住宅で主流だったアルミサッシ

日本で最初に押出成形アルミサッシが使われ始めたと言われるのは1950年から1960年代半ばまでといわれています。
それまでは、主に鉄筋コンクリート造の建築物においてはスチールサッシが、また木造住宅では、日曜日の夕方にテレビで放送される某国民的アニメの中にも登場するような木製サッシが主流でしたが、1960年代後半から一気にアルミサッシが普及していきます。

当時、アルミサッシが一気に普及したのは、スチールサッシより軽く加工が容易で腐食に強く、開閉がラク、木製よりも安価で木材の質に左右されず品質も安定し、耐久性も高く、メンテナンスがラクなどの理由があったようです。

今、住宅サッシの主流アルミ樹脂複合サッシ

アルミサッシは軽量で開閉がしやすく、サッシに利用される他の素材に比べて非常に耐久性が高いということから、住宅の窓に合う素材として愛用され続けてきました。しかし現在は、アルミのデメリットである「熱を伝えやすい」(断熱性が低い)点が結露の原因として取り上げられることが多いです。

それを解消するために登場したのがアルミ樹脂複合サッシで、外側(屋外側)にアルミ、内側(室内側)に樹脂を使った複数の素材を組み合わせて製造されたサッシとなります。

万能型の樹脂サッシ

樹脂サッシとは、枠が樹脂(プラスチック)で出来ているサッシのことです。
樹脂サッシの発祥はドイツで、寒さの厳しい環境下でも省エネで快適な住環境をつくる為に開発され、すでに50年以上使われています。

最大の特徴は、熱伝導率の低さ(熱を伝えない)です。熱を伝えてしまうと、そこで結露が発生し、カビやダニの発生の原因になってしまいます。樹脂にすることで、アルミ樹脂複合タイプよりもさらに、熱を伝えにくくすることができます。
断熱性能、価格ともに非常に高いサッシですが、近年エネルギーコストが上昇していることから、将来的なランニングコストを抑える効果もあると注目されています。

性能は抜群、交換メンテナンスが不安な木製サッシ

木製サッシとは、枠が木製で出来ているサッシのことですが、最近の木製サッシは前述した木製サッシとは違い、アルミサッシと同程度の気密性をもった断熱サッシとなります。木製であるため、枠が結露しないなど断熱性にすぐれていますが、高価なことや防火性に欠けるためにあまり普及していません。
またメンテナンス性についても、定期的なメンテナンスが必要となり、長期間放っておくと後々のメンテナンスコストに響くといったことも木製サッシの注意点です。

窓サッシ別のメリット・デメリットを紹介

これまで各サッシの長所・短所を述べてきましたが、まとめると以下のようになります。

  • アルミサッシは安く、丈夫で劣化に強いが、結露を起こすなど断熱性能が悪い。
  • 複合サッシの断熱性能は樹脂サッシ程ではないが、断熱性能は上がっている。価格もアルミよりは高い。
  • 樹脂サッシの断熱性能は非常によいが、価格が高い。
  • 木製サッシの断熱性能は非常によいが、価格が高く、定期的なメンテナンスが必要。

窓サッシは断熱や結露、経済性で選ぶ

断熱性の高いサッシは結露発生を抑えることから、カビの発生原因とされる相対湿度は減少し、家庭内のカビ発生リスクを軽減します。さらに、気密性の高い住宅の場合、部屋間の温度格差をなくす効果もあることから、ご家族の健康面に与える影響も大きいと考えられます。

さらに、経済産業省の資料によると、世界各地の燃料・電力の逼迫や価格高騰により、電気代などのエネルギーコストは年々数パーセントずつ上昇していて、今後もこの傾向は続くとされています。また、2021年6月30日の日経によると、脱炭素による再生可能エネルギー発電コストは「2020年1キロワット時あたりの平均発電コスト8.9円が2050年には19.2円」になり2倍超に上昇するとされております。
ここで、発電コストの上昇ということは、各ご家庭での光熱費の上昇につながることを意味しますから、後々のランニングコスト軽減のためには、建物そのものの性能を向上させる必要があるといえます。

ここでいう性能の高い住宅とは「より少ない光熱費で高い快適性をもたらす住宅」のことですから、言い換えますと「室内の快適な温度を逃がさない家」となり、住宅を熱損失の観点から考える必要がでてきます。

住宅の中で最も熱損失の大きな部分は窓になることから、住宅を建てる際や、リフォーム時には樹脂窓や木製サッシなどの断熱性の高いサッシに金額をかけると、費用配分の点を含め住宅性能は格段に良くなります。住宅性能が良くなると、ご家庭内の一次消費エネルギーの減少、すなわち、ランニングコスト減少につながり、今後の電気代単価を踏まえたライフサイクルコストの観点からみても、その効果は非常に大きいといえます。

今後、エネルギー事情が急激に好転するような技術革新などが起こればよいのですが、現状では将来の長期間に渡るリスク軽減に備える方が現実的であり、トータルで考えると、断熱性の高いサッシはそれほど高価ではないと推察されます。

以上のことから、断熱性の高いサッシは、快適性を与え、結露の発生を抑えるだけでなく、ご家族の健康面や金銭面にも配慮できるため、メリットは大きいと言えます。

サッシで変わる意外と知らない防音効果

住宅の中でもっとも騒音が伝わりやすい部分が窓です。
壁の厚みと比べて窓の方が薄いので、音は伝わりやすくなります。

単層ガラスと複層ガラスではより厚みのある複層ガラスの方が遮音性能は高いと思われがちです。
しかし共振・共鳴現象により低音域の場合、遮音性能が低下するといった事例があります。

これから住宅を検討する上で、事前に防音についてしっかり調べることは重要です。

ガラスで考える防犯

泥棒の侵入経路は戸建て住宅の65%が窓のガラス破りで、約25%が無締りと言われており、人目を気にする空き巣は5分以内に侵入できなければ7割が断念するというデータがあります。
つまり防犯の観点からすると、ガラスを破るのに時間のかかりそうな窓を設置すべきということになります。

ペアガラスの内側にフィルムを貼ったものなどは侵入に時間がかかるそうで、それらの商品には「防犯性能の高い建物部品」と記載されていますので、窓を選ぶ際には、参考にされてみて下さい。

性能と寿命セットで考えた価格バランス

アルミサッシは熱伝導率が高く、結露・カビを引き起こす原因になりうるため、性能的には高くないですが、耐久面では日本の高温多湿な環境でも関係なく普及してきた実績もあるため、非常に強いと言えるでしょう。
樹脂サッシについては性能面では非常に優れていますが、一般的に耐久面では紫外線に弱く劣化しやすいと言われているようです。しかしながら、ドイツで50年以上の実績、日本でも北海道で40年の実績もあり、近年、耐久性にも問題がないという意見がようやく業界では言われはじめております。
紫外線に弱いという意見は、同じ樹脂でもポリエチレン製のバケツなどが、屋外でボロボロになっているようなイメージの問題と関連しているように思われますが、樹脂サッシに使われるのは塩ビ樹脂という下水道管などに使われる素材で、屋外のバケツと異なり長期間の屋外使用でも劣化しにくい素材です。また、樹脂サッシの色の劣化は「目視では気にならない程度」とメーカーの耐候性試験から出ています。そのため、製品寿命の点からはアルミ・樹脂の劣化の問題よりも付属品の劣化に伴う交換の時期の方が早いとも言われております。

これらの点を踏まえた上で、価格バランスを考えるとすると、イニシャルコストにかかる金額と将来上昇すると言われる電気代などのランニングコストとの比較になると思われます。この計算には将来に渡って支払う金額の細かな設定や将来設計などによって異なってきますので、慎重に判断する必要があります。

サッシ種類の見分け方

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サッシを性能で見分ける方法があります。

具体的には熱貫流率といい、「壁体などを介した2流体間で熱移動が生じる際、その熱の伝えやすさを表す数値で、 屋根・天井・外壁・窓・玄関ドア・床・土間などの各部の熱貫流率はU値として表される」と説明されることが多いです。
熱貫流率について、より実践的な数値の見方としては、熱貫流率の数値の低いサッシ(ゼロに近づく)程、熱を伝えにくい性能の良いサッシとなり、省エネ性能の高いサッシであるということになります。

注文住宅でサッシを決められる際には、見積金額とともに判断材料のひとつとしてご利用ください。

トリプルガラスは重い?厚みは?

樹脂サッシは、アルミのように軽量でも強度があるわけではないことから、厚みをもたせて強度を保っていますが、結果的に重量が増えます。また最近のガラスは厚みもある為、ペアガラスでも重いものがあり、トリプルガラスは単純にガラス部分が増しますので、重量的には重くなります。

しかし、近年ではフレーム部分を薄くした商品も開発され、以前より重量は軽くなっております。

サッシの交換リフォームはできる?

サッシの交換リフォームはもちろん可能です。
その方法はいくつかありますのでご紹介します。

まずは、既存の窓・サッシの上に新しくサッシをかぶせる「カバー工法」で、工事は1日で済みますが、元々ある窓の上からさらに新しい窓サッシをかぶせるので、開口部が一回り小さくなってしまいます。

次に、現在ある窓・サッシを撤去し、窓ごと交換する「はつり工法」で、窓の周辺の壁を壊して再度作り直すという工程が必要となるため、一般的にリフォーム費用は、カバー工法よりも高額になります。

また、既存の窓の内側に、内窓(インナーサッシ)を増設し、二重窓(二重サッシ)にするリフォームが、断熱・防音・防犯効果も高く人気がありますが、こちらも金額について窓自体が増えることもあり、価格はどうしても高くなるようです。

まとめ

窓に関する内容はいかがだったでしょうか。

お家の中で明るい光を取り入れたり、空気の入れ替えや景色を楽しむ目的だった窓も、現在ではライフスタイルに合わせて、多様なデザインや素材を選べるように変化しております。

各メーカーがサッシ部分やガラス部分に開発をし、樹脂サッシをはじめとする省エネやご家族の健康に配慮した考え方が、ようやく日本でも根付きつつあります。

ぜひ今回の内容をお家づくりに役立てていただきたいと思います。

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