ローコスト住宅
  • 住宅価格
  • 公開日:2023.3.26
    更新日:2024.8.1

注文住宅とローコスト住宅

一生に一度といわれるマイホームづくり。いろんな会社があり、大手ハウスメーカーや工務店など、会社の分類の方法は様々ありますが、大手ハウスメーカーや工務店の注文住宅とローコストメーカーの建てるローコスト住宅のそれぞれの特徴や違いについて簡単にまとめました。

仕入価格

金額面で注文住宅とローコスト住宅を比較すると、販売価格とともに、最も違う部分が「仕入価格」です。「仕入価格」とは、木材や金物などの材料や、キッチンなどの設備が各住宅メーカーに仕入(搬入)される時の取引価格をさします。この「仕入価格」には、「標準仕様」という建築業界ならではの考え方と、大きな結びつきがあります。

標準仕様の背景

標準仕様

「標準仕様」とは、ハウスメーカーと建材・設備メーカーが協議を重ね、各住宅で使用する主要な建材・設備を設定したものです。

ローコスト住宅

設備

設備機器

特にキッチンなどの設備メーカーにとっては、「標準仕様」の商品を大量に作ればよいので、商品ごとのライン管理など製造管理に関わる労力は減少します。結果として、製造費用は削減(原価低減)され、ローコスト住宅に対する一棟あたりの商品単価の値引き額は注文住宅に比べ、大きいといわれています。設備メーカー側にとって、値引額は大きいと利益額がなくなるように感じるかもしれませんが、大量の発注数と原価低減によりカバーされるので、トータルでは利益増につながります。

建材・資材

窓・建具
断熱材

サッシや断熱材をはじめとした建材・資材については、様々な種類と特徴があります。ローコスト住宅メーカーでは低価格を実現するために、必要最低限のグレードの商品を「標準仕様」の商品として選択する会社は多いようです。

注文住宅

設備

設備機器

注文住宅には「フルオーダー」と「セミオーダー」という考え方があり、注文住宅にも「標準仕様」はあります。もちろん、建材・資材・設備メーカーと協議を重ね、少しでも安く仕入れをしようとする動きもしています。しかし、注文住宅には顧客の要望に合わせて仕様を決定していくというコンセプトがあります。そのため、ハウスメーカーが発注する設備にバリエーションが生まれやすく、ローコスト住宅より値引き額は少なくなる傾向にあります。

建材・資材

断熱材
資材

注文住宅には、サッシや断熱材をはじめとした建材・資材について、各社のコンセプトが散りばめられています。中でも、住み始めてからの光熱費削減や健康寿命に焦点をあてた安全性に関する建材や、地震に対する構造などの耐震性や耐久性にこだわったものは、ライフサイクルコストの観点からみると金額は抑えられますが、購入時には高額であることが多いようです。

オプション価格

ローコスト住宅

「標準仕様」の価格を下げるために会社全体で取り組んでいるため、「標準仕様」と異なるものを選んだ場合、金額が上がる会社が多いようです。

注文住宅

「標準仕様」と異なる独自の商品を選んだとしても、希望に合わせて仕様を決定していくというコンセプトを前提としているため、差額が発生するにしてもそれほど大きくない会社が多いようです。

回転率

注文住宅とローコスト住宅を比較して、大きな違いがもう一つあります。それは「回転率」の違いです。建築業の場合、「回転率」を上げるには、契約から引渡しまでの期間を短くすることが重要です。少しでも多くの引渡しを行い売上を上げることは、人件費などの固定費率を下げる効果もあります。特に、ローコストメーカーでは、一棟ごとの利益額を下げる代わりに、「回転率」をあげることによって企業としてのトータル利益を押し上げる努力をしているところが多いようです。

回転率のイメージ

契約から引渡しまでの日数

ローコスト住宅

「回転率」を上げるために、契約後の打合せ期間を平均4週間程度、着工から引渡しまで2ヶ月程度を設定する会社もあるようです。

注文住宅

一棟ごとに仕様や設備が異なっているため、打合せや説明期間などを十分にとるところが多いようです。メーカーによって様々ですが、契約後の打合せ期間を2ヶ月程度、引渡しまで130日程度の会社が多いのではないでしょうか。

シンプルな間取り・デザイン・建物の形状に統一

ローコスト住宅

間取り・デザイン・建物の形状に統一のルールや規格を設けシステム化し、設計やコーディネートの効率性をアップさせ時間短縮をおこなう会社が多いようです。

注文住宅

一般的に、自由設計で間取りに関する自由度が高いのが魅力です。プラン要望にも出来る限り、対応するところが多いです。また、会社によっては、オリジナルのデザインやこだわりの造作、おしゃれな外観などの施工実績を持つ会社もあります。

工事監理

ローコスト住宅

工事期間について厳しく管理されています。完成まで、工程はスピーディーに進行していきます。細かな打ち合わせや質問は契約後の打合せ期間に集中して行う必要があります。

注文住宅

現場や季節ごとの状況に合わせた工程管理を行い、その中には現場の職人さんと細かな施工に関する打合せも密に行われます。また、施主との細かな住まいのイメージなどの打合せや質問、図面変更によるメリット・デメリットなども双方向に連絡・提案を重ねていきます。

その他の特徴

ローコスト住宅

ローコスト住宅
  • 物件が多いがゆえに、アフターサービスの訪問が少ないことがあるかもしれません。
  • 性能や品質には各社特徴があり、注意が必要です。
  • 価格は安いといえます。
  • 住宅を維持するためのメンテナンスコストには注意が必要です。

注文住宅

注文住宅
  • アフターサービスは充実していることが多いですが、保証期間などは選択肢が設けられている場合もあり、契約前にチェックすべきです。
  • 高性能、高品質の住宅の可能性が高いです。
  • 価格は高い傾向にあります。
  • 住宅を維持するためのメンテナンスコストには注意が必要です。

いかがでしたでしょうか。主に、新築一戸建ての金額に関わる「仕入価格」と「回転率」にスポットをあてて、大手ハウスメーカーや工務店の注文住宅とローコストメーカーの建てるローコスト住宅の違いについてお伝え致しました。

デザインや設備のグレード、性能など、会社によって特色は様々です。安心で快適なご家族との暮らしのため、また、後悔のない理想の家づくりの実現のためにも情報収集のひとつとしてお役立て頂ければ幸いです。

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