『クラッチ』と一緒に考える店舗併用住宅の建築:あなたが知るべきすべてのこと
  • 住宅全般
  • 公開日:2023.7.18
    更新日:2023.7.18

『クラッチ』と一緒に考える店舗併用住宅の建築:あなたが知るべきすべてのこと

あなたは家族と共に生活しながら、自宅で事業を展開し、美容室や飲食店を営む生活を想像したことはありますか?そんな夢を叶えるために「店舗併用住宅」が注目されています。しかし、その計画と建築には多くの注意点があります。この記事では、「店舗併用住宅」に関する全体の概念から具体的な注意点、適用条件、制限、税金、そして実際のケーススタディまで詳細に解説します。

店舗併用住宅の概要

一般的な店舗併用住宅とは

店舗併用住宅は、同じ建物内に居住スペースと事業を行うスペースが共存している住宅のことを指します。一般的には、1階部分を店舗や事務所、2階以上を居住スペースとする間取りが多く見られます。ただし、これは一例であり、設計や間取りはあなたの生活スタイルや事業の形態、土地の状況によって柔軟に変えることが可能です。

店舗併用住宅のメリットとデメリット

店舗併用住宅の最大の魅力は、自宅で事業を運営できることです。これにより、通勤時間を削減し、より柔軟な時間管理が可能になります。しかし、注意点として、プライバシーの確保や、生活空間と事業空間の境界線をどのように引くかという課題があります。

店舗併用住宅の建築

店舗併用住宅の建築は、一般的な住宅建築と比べると、自身の要望のほかに多くの要素を考慮する必要があります。法的に営業可能な地域か、利便性、駐車場、外観、防音対策、動力や水道の整備、プライバシー空間の確保など多岐に渡るため、専門知識を持った建築士に依頼することをおすすめします。

店舗併用住宅の建築

法的な店舗併用住宅とは

建築基準法上で定義される「店舗併用住宅」とは、住宅部分と店舗部分が同一の建物内に存在しますが、これらは建物内部で独立していて、一般的には建物内部から直接行き来することはありません。この場合、法律上、店舗が独立しているとみなされます。そのため、店舗や事務所が建てられない地域には建てる事はできません。

店舗兼用住宅とは

「店舗兼用住宅」は、住宅部分と店舗部分が同一の建物内に存在し、建物内部から行き来が可能である形態を指します。こちらは、業種は限られますが、一定の条件を満たすことで、厳しい建築制限が課せられる「第一種低層住居専用地域」でも建築可能となります。

第一種低層住居専用地域とは

建物はどこでも自由に建てられるものではありません。都市計画法では市街地に住居、商業、工業など大枠としての土地利用を定めています。これらを用途地域といい、全部で13種類あります。なかでも第一種低層住居専用地域は良好な住環境を保護するために、10mまたは12mの建物の高さ制限など厳しく規制されています。

店舗兼用住宅になるための条件は

条件とは建築基準法に定められており、下記3つになります。

  • 建物内部で住居部分と店舗部分の行き来が可能であること。
  • 建物の延べ面積の2分の1以上が住居部分であること。
  • 店舗部分の床面積が50㎡を超えないこと。

このように建築基準法では、「店舗兼用住宅」について明記することで、「店舗併用住宅」と明確に区分分けしています。

土地選びについて

土地選びについて

事業に向いている立地を選ぶ

店舗併用住宅を建てる土地を選ぶ際には事業に向いている立地を選ぶ必要があります。

不動産選びの際に、具体的な物件の見るべきポイントは以下のとおりです。

エリア内にターゲット層がいるか

店舗併用住宅を計画する際には、エリア内のどのような客層を対象とするかを明確にすることが重要です。具体的なターゲットを設定することで、店舗の業種や営業方針、さらには建物や間取りの設計に至るまで、計画全体をより具体的かつ効果的に進めることができます。

立地として適しているか

店舗併用住宅の成功は立地選びに大きく依存します。業種によって理想の立地は異なり、飲食店なら人通りの多い場所、クリニックや教室なら静かで交通の便の良い場所が適しているでしょう。さらに、店舗と住宅の間のプライバシーも考慮が必要です。これらをバランス良く考えることで、事業の成功と快適な住まいを両立できます。

アクセス手段の検討

店舗併用住宅の計画を進める際に、アクセス手段の検討は非常に重要です。顧客が店舗に容易に訪れることができ、アクセス手段が整備されているか否かは、経営の安定性を左右する要素の一つとなります。

公共交通機関

 地域の公共交通の便は重要なチェックポイントです。店舗が駅やバス停から近い場所にあると、利用者が増える可能性が高まります。また、周辺の交通事情を把握し、利便性を確保するための措置を講じることも大切です。

自家用車でのアクセス

自家用車で訪れる顧客のための駐車場の確保は大切です。駐車場がなければ、車での訪問者を大幅に減らすことになります。また、狭い道路や混雑した地域では、車でのアクセスが難しい場合もありますので、その点も考慮に入れる必要があります。

徒歩や自転車でのアクセス

第一種低層住宅内などの住宅街で近隣住民をターゲットとする場合、徒歩や自転車でのアクセスも十分に考えられます。その場合、歩道や自転車道が整備されているか、安全に歩行や自転車で訪れることが可能かを確認することが重要です。

設定する客層ごとの設計

客層に合わせた店舗の設計や間取りを考えることが重要です。例えば、高齢者が多い地域であれば、バリアフリー設計を考えることで、来店しやすい環境を作ることができます。また、若者を主なターゲットとする場合、最新のトレンドを取り入れた内装や設備を考慮することが求められます。

近隣に競合店舗はあるか

とくに新規顧客の獲得が重要になる美容室やカフェ・飲食店などは、競合調査や店舗の視認性が重要です。エリアによっては駐車場の確保も必要であるため、周辺環境を踏まえて判断する必要があります。

金銭面について

金銭面について

金融機関からの融資について

住宅ローンは、本人やその家族が居住するための住戸・住宅や土地(一戸建て、マンション)の購入費用、新築・リフォーム工事費用に対して金融機関から受ける融資のことです。

つまり、兼用住宅・併用住宅の店舗及び事務所の部分については、基本的に住宅ローンは適用できないことになります。住宅部分については、住宅ローンを活用することも可能なこともありますが、その場合も条件があることがほとんどです。いずれにしても金融機関により条件や利用可能な金額が変わるため、事前の相談が必要となります。

店舗用ローンの融資

店舗及び事務所については、金融機関の基準に当てはめると、ビジネス等に分類されるので、住宅ローンではなく事業用ローンを利用することになります。事業用ローンは一般的な住宅ローンと比較すると、金利が高い場合が多く、諸費用についても注意が必要です。いずれにしても事業用ローンについて、金融機関に相談することが必要になります。

店舗併用住宅の経営

店舗併用住宅を建てた後の経営では、税金や保険に注意が必要です。建物全体の床面積や店舗と住居の割合により、固定資産税が変わる可能性があります。

店舗併用住宅の建築費

店舗併用住宅は店舗に相当する建築費を「減価償却費」として計上できます。また、店舗部分に相当するローンの利息も支払費用として費用計上できます。他にも、事業で必要となる水道光熱費や通信費や火災保険料なども店舗に相当する部分の費用を経費として計上できますので、節税対策を行うことが可能です。

店舗併用住宅の固定資産税

固定資産税は、土地や家などの「固定資産」を所有している人から、毎年1月1日時点の所有状況に基づいて課せられる税金のことを指します。計算方法は一般に、課税対象となる固定資産の価値に基づいて、原則として1.4%の税率を掛けたものです。しかし、家や土地が住宅として使われている場合は、一定の条件を満たすと税額が減る特例が適用されます。

固定資産税の特例の条件は

専用住宅と店舗併用住宅では、固定資産税の特例の条件が異なります。店舗併用住宅については、特例を受けるためには、最低でも全体の総床面積のうち4分の1以上が人が生活するための居住空間として使われていることが必要です。この条件を満たしていると、固定資産税の額が減る特例が適用されます。

建物の設計について

建物の設計について

業種ごとの注意点について

ビジネスの種類によって、店舗併用住宅を作るときの気をつけるべきことは変わります。カフェや美容室のような業態では、お店の外観や立地が大切です。特に、外観次第では、多くの客を引きつける力があります。医院や医療施設のような場合、患者やその家族がお互いに触れ合わないように、通行ルート(動線)の設計が必要となります。

店舗の最低面積はどれくらい必要か

また、店舗の広さはその業態や規模や法令によります。例えば、カフェなら、一人あたりの売上(客単価)や回転率によって、座席数や店舗の広さが決まります。美容室など一人で運営できる業態も、保健所によって最低でも作業スペースの床面積が13㎡必要と定められているなど、細かな規定があります。そこから受付や待合室などのスペースを逆算して考えることになります。あなたがはじめようとしているビジネスの客単価や法令によって、必要な店舗の広さは変わります。

外部動線について

外部からのアクセス時に、住居動線と店舗動線が交わらないようにすることが理想ですが、駐車場などのスペース確保により難しい場合には住宅側の入口を奥になるように配置します。このように配置することで訪問されるお客様も入りやすくなります。

内部動線を工夫し店舗の利便性を高める

店舗併用住宅を設計する際には、内部動線の工夫が不可欠です。店舗の利便性を高めるために、スタッフが動き回りやすい動線を確保することは重要です。無駄のない動きや対応は、質の高いサービスを提供することにもつながり、リピート率を上げることに役立ちます。こうした動線設計の工夫により、店舗の利便性を高め、顧客満足度の向上につなげることができます。

共有スペースについて

店舗併用住宅においてトイレや洗面所を設ける場合、その設計は非常に重要です。トイレや洗面所はプライベートなスペースです。間取りやドアの位置を工夫する必要があります。お客様やスタッフ目線で間取りを考えることが大切になります。

店舗兼用住宅の動線

店舗兼用住宅の動線設計は、重要な要素と言えます。プライバシーを守る観点から視線が遮られることも必要でしょうし、一方で、住居部分と店舗部分の移動がスムーズな方が利便性を高めます。内部動線を考える際に、隣接する部屋にも注意する必要があります。例えば、隣接する部屋は滞在時間が長い部屋にするのか、関連性のある部屋にするのかなどいろいろな考え方があります。

遮音性について

遮音性について

素材から遮音性を高める

店舗併用住宅では、店舗と住宅部分が隣接しているため、音の問題がしばしば発生します。子供の泣き声や話し声、テレビの音など、生活音が店舗に響いてしまうことは避けたいところです。これに対処するためには、高い吸音性能や遮音性能を持つ材料を使用して建物を建築することが重要です。

壁材・天井材・床材の選択

「吸音」とは、音を吸収することで部屋の中で発生する音の反響を軽減するものです。「遮音」は音を反射させて通さなくすることを言います。吸音性や遮音性のある材料を組み合わせて使用することで、音の伝播を抑制することができます。また、カーペットなどの吸音性の高い材料を選択すると良いでしょう。

間仕切り壁やセルロースファイバーの採用

住居部分と店舗部分の間には遮音性の高い間仕切り壁を設けると良いでしょう。また、壁の中に吸音性の高いセルロースファイバーを使用することや、二重壁にするといった工夫も効果的です。

最後に

最後に

いかがでしたか?たくさんの注意点がありますので、事前によく考えることが大切です。事前にこれらの要点を理解し、通常の注文住宅との違いを知っておくと、後々困ることを避けられます。この記事ではいくつかの重要なポイントを紹介しましたが、実際にはもっと多くの注意点があります。実績のある建築会社や専門家に相談すると、より安心して進められるでしょう。要望、構造、進行手順、費用計画などについて悩んでいる人は、クラッチの無料相談を利用してみてください。

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CRATCH運営

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