- 耐震性能
- 2023.5.25
日本の地震対策: 家づくりの耐震基準、保険、およびローンの重要性
日本は地震が多い国であり、家づくりにおいても地震に対する対策が重要なテーマとなっています。本記事では、地震に強い家を選ぶためのポイントや、地震保険と住宅ローンの重要性を解説していきます。
地震と住宅についての基本知識
日本は地震が多発する国であり、地震による家屋の倒壊や損壊が大きな問題となっています。そのため、地震に強い家づくりが重要です。この記事では、地震と住宅に関する基本知識や対策、地震保険の取り扱い、耐震等級などについて解説します。
地震のメカニズムと影響
地震は、地球の内部でエネルギーが解放されることによって発生します。このエネルギーは地表に伝わり、規模によっては揺れや地割れなどの現象を引き起こします。大地震の場合、土砂災害や液状化現象、ライフラインの寸断など様々な被害をもたらします。特に、建物の倒壊や地震に伴い発生する火災は人命に直結する危険性が高いため、適切な対策が求められます。
地震による家屋の倒壊
地震による家屋の倒壊は、構造的な弱点や材料の劣化、地盤の問題などが原因となります。倒壊すると、住民の命が危険にさらされるだけでなく、家財道具や貴重品の損失も生じます。また、倒壊した家屋は周囲の建物にも被害を及ぼすことがあります。
地震対策の重要性
地震対策は、家屋の倒壊を防ぐだけでなく、住民の安全や財産を守るためにも重要です。適切な対策を行うことで、地震が発生しても住宅が安全で快適な空間であることを確保できます。特に、住宅に対する地震対策を行うことで、地震保険の割引が適用されたり、何より安全性が高まり、その後の経済的な安定にもつながります。
適切な地盤調査と地盤改良を行う
地震に強い家づくりには、まず、家を建てる前に、適切な地盤調査を行う必要があります。地盤調査によって、土地の状態が把握でき、地盤の強度や耐震性を評価できます。地盤が弱い場合は、地盤改良工事を行い、家の基礎を安定させることが必要です。
建物の構造や材料にこだわる
地震に強い家づくりには、建物の構造や材料が大切です。耐震性の高い構造材(例:耐力壁)や、軽量で強度の高い材料(例:木材)の使用は地震に対して有効です。また、適切な設計や施工技術により、家の耐震性を向上させることができます。
耐震等級
耐震等級は、建物の地震に対する耐震性能を示す指標です。耐震等級は、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で、一般の方にも判りやすい耐震性の判断基準です。最も低い耐震等級1から最も高い耐震等級3までがあり、耐震等級が高いほど地震に強い建物とされています。
品確法と許容応力度計算
品確法(建築物の品質確保の促進に関する法律)は、建築物の品質を確保し、消費者の利益を守るための法律です。品確法は、建築基準法よりも細かく規定された法律で、この法律では性能表示計算という計算方法を定めています。一方、許容応力度計算は建物の構造計算の一つの方法で、性能表示計算よりも精緻な方法と言われています。こちらは建築基準法に明記されています。許容応力度計算は、建物が地震の際にどれだけの力に耐えられるかを評価する方法で、建物の構造が地震に対して適切な強度を持っているかを確認できます。
地震保険と住宅ローン
地震保険は、地震による家屋や家財の損害を補償する保険です。住宅ローンを組む際には、地震保険への加入が推奨されます。また、地震による倒壊や損壊が起こった場合には、二重ローンのリスクがあります。これを避けるためにも、地震保険への加入が重要です。
木造住宅と地震
地震力はそれを受け止めるものの重量によって、比例します。つまり、建物の場合、重量が軽い方が受ける地震力は小さくなります。木造住宅は、他の鉄やコンクリートに比べ、木の比重が軽く、地震に対して効果的とされています。しかし、古い木造住宅では、あまり地震を考慮して建てられておらず、耐震性能が不十分なことも多いため、耐震改修やリフォームが必要となる場合が多いようです。また、古い木造住宅は火災に対する対策もされていないことがあり、地震を原因として発生する火災への対策も重要となります。
地震対策を取り入れた住宅のメリット
地震対策を取り入れた住宅は、地震発生時の安全性が向上し、地震保険の加入条件が整い保険料が安くなる可能性があります。さらに、住宅の価値が上がり、将来的に売却や賃貸がしやすくなるというメリットもあります。
地震リスクの見直しと家の改修
地震リスクは時間とともに変化します。一つは、専門家や国の研究機関の調査による新しい活断層の発見や活動周期などの見直しにより、地域の地震発生リスクが変化するような事態が生じた場合です。いわば、外的要因により地震リスクが変化するケースです。もう一つは耐震等級などの基準がない時期に建てた住宅を中心に、経年劣化などによる住宅の地震リスクの変化が挙げられます。こちらは、家の改修やリフォームが必要な場合には適切に対応することが求められます。特に、古い家屋は耐震性能が低いことが多いため、定期的な点検や補強が重要です。
阪神淡路大震災とその影響
1995年に発生した阪神淡路大震災では、多くの家屋が倒壊し、約6,000人が死亡するという痛ましい災害を招きました。この震災をきっかけに、日本では建築基準法が改正され、新たな耐震基準が導入されました。阪神淡路大震災から得られた教訓を活かして、より地震に強い住宅を建てることが求められます。
2000年基準とそれ以前の基準の違い
2000年基準は、阪神淡路大震災を受けて策定された新しい耐震基準で、それ以前の基準と比べて地震に対する耐震性能が高い建物が求められます。2000年基準以前の家屋は、耐震性能が低いことが多く、リフォームや補強が必要な場合があります。
熊本地震とその教訓
2016年に発生した熊本地震では、多くの家屋が倒壊し、大きな被害が発生しました。熊本地震から学んだ教訓は、地震対策が十分でない家屋が大きな被害を受けることや、地震発生後の生活環境の悪化などです。これらの教訓を踏まえて、住宅の地震対策を見直すことが重要です。
耐震等級3の意義
耐震等級3の家に住むことで、地震が発生しても家屋が倒壊するリスクが低くなり、ご家族の安全が確保されます。また、耐震等級3の家は将来的な販売価値が高まる可能性があり、資産価値の維持・向上にもつながることが考えられます。
地震対策の専門家との相談
地震対策を検討する際には、専門家の意見を参考にすることが重要です。インターネットなどを通じて専門家に相談することが望ましいです。また、自治体が提供する相談窓口やセミナーに参加することも有益です。
住宅ローンと地震保険の見直し
住宅ローンを組んでいる場合、地震保険に加入しているかどうかを確認し、適切な保険料と補償内容を見直しましょう。また、住宅ローンの返済計画も含めて見直すことで、ご家庭の財政状況を安定させることができます。
地震対策のための予算計画
地震対策には費用がかかりますが、安全性を確保するためには適切な投資が必要です。家計やライフスタイルに合わせて、地震対策のための予算計画を立てましょう。自治体が提供する補助金や助成金を活用することも考慮することがおすすめです。
マンションの地震対策
マンションに住んでいる場合でも、地震対策は重要です。マンションの耐震性能を確認し、必要に応じて共用部分の補強や設備の改修を行いましょう。また、管理組合など住民同士で話し合い、地震発生時の避難や支援体制を整えておくことも大切です。
耐震診断と耐震補強
既存の住宅に対して、耐震診断を行うことで現在の耐震性能を把握することができます。耐震診断では、建物の構造や材料、接合部の状態などをチェックし、耐震性能が低い場合は補強工事が必要となります。耐震補強工事は、専門家に依頼することが望ましいです。
もしもの時のために地域と連携した地震対策
過去の震災などの経験から地震対策は家だけでなく、地域全体で取り組むことが重要です。地域の防災組織や自治体と連携し、情報交換や相互支援を行うことは重要です。また、地域での地震対策セミナーや防災訓練に参加することも有益です。また、転居などで万が一の災害の際に、行政の定める避難先などがわからないといった場合もあるようです。事前に、ハザードマップなどで調べておくことが良いでしょう。
地域ごとの地震対策
地震対策のために、地域の特性を知ることが大切です。例えば、付近に河川や土砂災害警戒区域が存在するなど、普段見過ごしがちなことを認知することは万が一の際に役立ちます。地域の防災組織などへの参加や、家族や友人、近隣住民に地震対策の情報を共有することが望まれます。
地震対策の未来
地震対策は、技術や知識が進化することで、さらに効果的なものとなります。建築技術の向上や新しい耐震材料の開発、地震予知技術の進歩などが、将来的に家や街全体の地震対策をより効果的にするでしょう。また、AIやIoTを活用した地震対策システムの開発も期待されています。
防災グッズと備蓄品
地震が発生した際に、家庭で備えておくべき防災グッズや備蓄品があります。非常食や水、懐中電灯、ラジオ、救急セットなど、地震発生時に必要となるアイテムを常備し、家族全員が使い方を理解しておくことが重要です。また、ご家族の中に普段から服用している薬品などがある場合も管理が重要です。
緊急避難場所の確認
地震が発生した際には、家族が避難できる緊急避難場所をあらかじめ確認しておくことが大切です。自治体が指定する避難場所のほか、近隣の公園や学校なども避難場所として利用できます。家族で避難経路や集合場所を確認し、避難訓練を定期的に行いましょう。
避難所での生活
地震発生後、避難所での生活が長期化する可能性があります。避難所での生活に備えて、防寒具や衣類、寝袋などの必需品を用意し、ストレス軽減のためのアイテムやも考慮しておくと良いでしょう。また、避難所でのマナーやルールを守り、他の避難者と協力し合うことも大切です。
衛生面での対策
地震などの災害発生後、注意すべきは土砂などの取り扱いです。土砂のなかには下水などが含まれているケースもあり、細菌などの対策は重要です。これらの土砂が建物に付着することもあるので、素手で触れてしまうことにより感染症などのリスクが高まることも知られています。
地震による心のケア
地震が発生した場合、家族や友人と連絡を取り合い、安否確認や心のケアを行いましょう。また、地域や自治体が提供する心のケアサポートやカウンセリングを利用することも検討してください。長期間にわたるストレスや不安に対処するために、リラクセーションや適度な運動、趣味や交流を大切にしましょう。
ペットとの地震対策
ペットと一緒に地震に備えることも重要です。ペット用の防災グッズや非常食を用意し、避難時にペットを連れて行くことができる場所や手段を事前に確認しておきましょう。また、ペット用の救急キットやマイクロチップの登録も検討してください。
高齢者や障がい者の地震対策
高齢者や障がい者は、地震発生時に特別な支援が必要な場合があります。家族や近隣住民と連携し、高齢者や障がい者の避難支援や生活支援を計画しておくことが大切です。また、被災した場合、医療が滞る可能性もあり、常時服用している薬などを高齢者向けの防災グッズとして準備しておくことは、2次的被災を防ぐ上で、大事な防災です。
地震対策の継続的な取り組み
地震対策は一度きりのものではなく、継続的に取り組むべきです。定期的に家の耐震性能や防災グッズの点検を行い、最新の地震対策情報を得て、対策を見直しましょう。また、家族や地域と連携して、防災訓練や地震対策の情報交換を行うことが大切です。
まとめ
日本は地震が多発する国であり、地震による家屋の倒壊や損壊が大きな問題となっています。そのため、地震に強い家づくりが重要であり、耐震等級に適合した家を選ぶことが大切です。また、地震保険への加入も重要です。さらに、地域と連携した地震対策にも取り組むことで、地震に強いコミュニティを形成することも重要と言われています。地震に備えた住まいや暮らしは、家族や地域全体の安全と安心に寄与することになります。
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