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大手ハウスメーカーと工務店のメリットとデメリット
  • 住宅全般
  • 2022.11.8

大手ハウスメーカーと地元工務店どっちがいい?メリットとデメリットをご紹介

家を建てるなら、大手ハウスメーカーと地元工務店のどちらが良いか、と迷う方も多いと思います。そこで、今回は大手ハウスメーカーや地元工務店の特徴と選び方について、解説していきたいと思います。

大手ハウスメーカーとは?

大手ハウスメーカーとは、一般的に全国展開で営業している住宅会社を指します。

全国各地に住宅展示場や工場があり、独自のシステムや商品を持つところが多いのが特徴です。プランはセミオーダー中心で、設計の自由度は低く、住宅設備の制約を受けることがあります。また全国CMなどで有名なため、安心感を得られます。特に上場している大手ハウスメーカーは、企業の安定性が高いでしょう。安心感とブランド力で選ぶならハウスメーカーがおすすめです。

地元工務店とは?

地元工務店とは、注文住宅やリフォーム工事を請け負う地元の建設業者となります。そして、請け負った工事に対して、工務店は複数の専門工事業者をマネジメントし、建物全体を管理しながら建物を完成させます。この一連の流れが、一般に想像される工務店の仕事内容になります。近年の工務店は、それぞれの得意分野を活かして、主に4つの形態に分類できるのでご紹介します。

施工専門の工務店

ハウスメーカーの下請けが中心で、地域密着型で職人的要素の強い工務店です。CMなどの広告宣伝費や人件費にお金をかけずに、小規模エリアで施工をするところがほとんどです。

専門業者から派生した工務店

大工、水道、電気などの一専門業者が、業務内容を拡大して、受注・設計・工事までの全てを一貫施工する工務店です。専門分野の強みを活かし現場に強く、アフターサービスやアフターメンテナンスの定期点検フォローに力を注ぐため、安心感は高く、口コミによる紹介や依頼が多いのも特徴の一つです。

フランチャイズ経営の工務店

規格住宅・工法のフランチャイズに加盟し、技術を導入している工務店です。プラン、仕様、設備、建材をマニュアル化し、価格を抑えるのが、このタイプの工務店です。競争力やブランド力を得るため、複数のフランチャイズに加入するケースもあります。

ビルダーと言われる工務店

工務店の規模を拡大し、支店や営業所を数多く持つ工務店で、数十棟以上から数百棟の施工を行います。ハウスメーカーより規模は小さいですが、住宅展示場やモデルハウスを用意し、地域にテレビCMを流すビルダーもあります。自社で不動産の購入や土地開発を行い、広告費をかけ建売住宅を販売することが多いのも特徴の一つです。

家を建てるときのおすすめの方法

地元工務店と言っても様々なタイプがあり、何を重視するかによって、注意点は変化すると言えます。例えば、企業の安定性を重視される方と、建物の性能を重視される方では、考え方や条件が異なり、おのずと選ぶ建物や評価基準も変わってきます。

また、建物には構造、デザイン、予算など、選ぶ項目・種類が数多くあり、一般の方が、合理的な優先順位をつけるのは簡単ではありません。そこで近年では、インターネットやインスタグラムなどのSNSを通じて、必要な解説や好みの画像を選び、チェックした情報をストックする方法が注目されています。これなら空いた時間にできるので、便利です。

また、ご自身でも意識してなかった好みや傾向が具体化され、知識も得られるので、ご家族や担当者との情報共有のツールとして、マイホームづくりに活用される方が増えています。

後悔のない工務店の選び方

検討したい工務店が出てきたら、完成見学会を活用することです。「完成見学会」とは、新築で完成したばかりの住宅を、お施主様にお引き渡しをする前に、無料で見学できるイベントです。 「住宅展示場」や「モデルハウス」は魅せることに特化した展示施設の要素が強く、実際の家づくりに対するイメージがつきづらいのが実情です。「完成見学会」は実際のお住まいの雰囲気や広さを体感できるだけでなく、ご自身の間取りや動線づくりの参考になる貴重な機会です。

他に選び方はあるの?

会社によっては「構造見学会」を実施している工務店もあります。「構造見学会」は建物の内部をご覧頂けるイベントです。構造は一定期間しか見られない部分なので、チャンスがあればご覧になると良いかもしれません。建物を体感しながら、ご不明な点やご要望は、ご案内担当者を通じて直接、お話ができます。

完成見学会や構造見学会で何をみれば良いの?

「完成見学会」の一番良いところは、建物の断熱性、遮音性、雰囲気や広さを実際に体感できる点です。見学の際には、各部屋間の温度差や外の雑音が聞こえるかなどを意識されると良いでしょう。エアコン台数が少ないのに各部屋の室温が均一で過ごしやすいとすると、断熱性能や気密性能が良いかもしれません。また、雑音が聞こえにくいかどうかは現地に出向かないと体感できない内容です。

完成見学会や構造見学会で何を聞けばいいの?

例えば、C値やUa値などの数値を聞くのもよいかもしれません。数値測定・評価に豊富な実績を持つ工務店であれば、施工性や技術力に信頼を持てます。毎回、数値の管理・検証を行っていれば、高気密・高断熱住宅の再現性は高いと言えるでしょう。しかし、このような測定や検証する制度が社内になければ、数値にばらつきが出るかもしれませんし、断熱性能や気密性能などの品質以外のところに関心のある会社なのかもしれません。

大手ハウスメーカーと地元工務店どっちが安い?価格差は?

一般的に地元工務店の方が建築にかかる価格(イニシャルコスト)は安いかもしれません。価格差については、それぞれのお家の大きさや仕様等によって異なりますので、個別に見積を取り比較するのが良いでしょう。また、価格面はイニシャルコストだけでなく、光熱費などのランニングコストも含めたトータル(ライフサイクルコスト)で考慮する必要があります。言い換えると、大手、工務店に限らず、性能面を重視しないメーカーは、光熱費などのランニングコストが割高になる傾向にあるので、要チェックです。

大手ハウスメーカーと地元工務店どっちがいい?デザインは?

デザインについて、細部にこだわった加工をしたい場合は、縛りが少なく自由度の高い地元工務店がおすすめです。工務店は、理想や要望、希望に対して寄り添い、プランの実現に向けて、提案を行います。つまり、工務店の魅力の一つとして、融通が利きやすい点が挙げられます。部屋ごとに雰囲気を変えることも柔軟にできますし、こだわりの部分にはお金をかけて、メリハリをつけるなど、様々な工夫ができます。

大手ハウスメーカーと地元工務店どっちがいい?性能や耐久性は?

性能面や構造の観点からとらえるなら、大手ハウスメーカー、地元工務店ともに、断熱等級7、耐震等級3を標準にしたメーカーが最も優れているということになります。ライフサイクルコストについては、お住まいに何年間住み続けるかや、燃料単価の変化や平均気温などによって左右されますが、長く住み続ける場合、断熱等級が、より上位のものを選ぶ方が、光熱費の回収率が上がり、トータルコストでは有利に働きます。もっとも、資材価格上昇などの影響で、性能を重視しすぎて予算オーバーになったりすることも考えられます。トータルバランスを考えながら無理のないお家づくりをすることが重要です。

家を建てる場合、保証も重要なチェックポイント

大手ハウスメーカーの保証は?

住宅事業者は、瑕疵に対する10年間の住宅瑕疵担保責任があります。修理費用等の資力確保として保険等の措置をとることが義務化されていますので、10年間は安心と言えます。10年目以降については、大手ハウスメーカーの保証は充実していることが多いですが、各社ばらつきがあります。例えば、一部のメーカーでは保証延長の際、お金がかかったり、他にも注意が必要なこともあるようです。保証については十分な説明を受け理解をすることが重要です。

地元工務店の保証は?

工務店も大手メーカー同様に瑕疵担保責任を有します。そのため、資力確保として保険等の措置が義務化されていますので、万が一、工務店が倒産しても10年間は安心です。10年目以降については、工務店独自の考え方で保証が充実していることもあります。この点は各工務店に直接聞かれた方が良いでしょう。また、保証以前に、住宅にはメンテナンスコストのかかりにくいものもあります。保証と同時にメンテナンスコストについての確認も欠かせません。

建築会社の選び方ランキングで何が重要?どれから調べたらいい?

建築会社の選び方ランキングを数種類のサイトで調べると、会社名が出るものもあれば、キーワードによるものなど様々出てきます。ここではキーワードについて検索上位にくるものを調べてみました。「構造」「工法」「保証」「デザイン性」「性能」「プラン・間取り」「費用」「メンテナンス性」「信頼性」「担当者」などが上位にくるようです。これらはどれも重要ですが、住宅を建てる方からすれば、調べるべき項目が多く、わかりづらいと思います。そこで、わかりやすくするために、耐久性・快適性・経済性を上位項目として設けて、そこにキーワードを当てはめてみますと、以下のようになりました。

このように「信頼性」「担当者」以外はこの3つに分類できました。ちなみに、耐久性、快適性、経済性について解説すると以下のようになります。

耐久性

「構造」「工法」ともに長期間、安全な住まいであるために大事な部分です。こちらは耐震等級3がひとつの目安になります。耐震等級3をクリアしていれば、どの構造・工法であっても大地震などによる倒壊リスクは減少すると言われています。また、木造であれば防蟻処理や通気性についての対策をどのようにしているかも重要です。

快適性

「デザイン性」について、デザインや色、材質の違いが好みに合っているかは日々の暮らしの中で重要です。ちなみに、見た目だけでなく、色や材質の違いが健康効果にも影響があるとする説もあります。「性能」は、前述した断熱等級にもありましたが、断熱性や気密性が悪いと、外気温に左右される「夏暑く、冬寒い住宅」となってしまいます。「プラン・間取り」は窓の位置、動線など、快適性に及ぼす影響は大きいと言えます。

経済性

「費用」面では、多くの方が建築費用(イニシャルコスト)についてローンを利用されています。その場合、返済は月々の支払となり、ランニングコストとも密接な関係が出てきます。また、「性能」は物価高騰の影響で、冷暖房費などランニングコストがかかりにくい高気密・高断熱住宅が求められています。「保証」「メンテナンス性」について、お家の維持・管理コストのかかりにくいものを選ぶことは、ライフサイクルコストに影響を与えます。

このように8つの注意すべき項目が3つになると、情報の整理がしやすくなりますし、実際に担当者と話をする時も便利です。「耐久性について教えて?」「快適性について聞きたい」と尋ねられると、担当者が多岐に渡って説明してくれるので、8つのうちのほとんどについての情報を得られるかと思います。住宅会社選びに必要な情報がいくつもあってわかりづらいという方には、おすすめの方法です。

「信頼性」や「担当者」についてどのように情報を得たらいい?

「信頼性」や「担当者」などの印象に関わる部分について、事前にHPやSNSを通じて、情報収集が可能な会社もありますが、最終的には担当者と会われて、ご自身にとっての相性を判断されるしかないでしょう。担当者と話をして、信頼に値すると感じられれば、契約に向けた次の段階に進められるのではないでしょうか。

いかがだったでしょうか?最後に、家づくりは夢のある楽しく幸せな時間だと思います。多くの方にとって一生に一度の大きな買い物である家づくりを、充実したものにするために、役立てて頂ければ嬉しいです。

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